弁護士・弁理士 大西達夫のブログ

知的財産法・行政法・医事法の分野を中心に、話題となっている法改正や裁判等のニュース解説、ビジネスや日常生活と法律との関わりなどを説明していきます。

 日本医療企画(月刊誌「厚生労働」なども発行されている由緒正しい医療系出版社です。)の雑誌「月刊 医療経営士」の連載企画「ステークホルダーの医療経営士たち」で「弁護士」を取り上げることになり、医療経営士1級の認定資格保有者として取材を受けた内容が同誌2021年1月号に掲載されました。
http://www.jmp.co.jp/mmms/
 
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 同時掲載の特集が新型コロナ感染症関連(「これまでの“常識”を疑え! コロナ禍における『新しい医療経営』を考える」)だと事務所に取材で来られた担当者から聞いたので、マスクを外した状態で撮影させてほしいとカメラマンから頼まれても、「こっちの方が特集のイメージに合うでしょう」などと屁理屈をつけて、取材時は布マスク、撮影時はマウスガード装着で押し通しました。
 
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 しかし、どうも昨今マウスガードは評判が悪いようです。スパコン富岳での分析によるとマウスガードではエアロゾル感染防止効果は弱いとのことですし、最近ではスキャンダルが報道された某男性芸能人が謝罪会見時に装着していたマウスガードまで批判する向きもありました。いっそのこと、撮影も全て布マスクで押し通した方が良かったかもしれません。その方が面割れのリスクも少ないし(?)。

 表紙に顔写真まで掲載されました。他の記事で取り上げられている睫敍愡弊萓検憤緡屠/妖款峅餤掬朕垢領ど賊 ̄…后砲箘緡天弍鳥里粒様の写真と並んで、1人だけマウスガード付きで掲載されているのが、浮きまくっている感ハンパないですね。
https://www.fujisan.co.jp/product/1281696065/

 ふざけているみたいで申し訳ありませんが、貴重な誌面で御紹介いただき、この場を借りて日本医療企画編集部様ほか関係各位に御礼申し上げます。
 併せて、コロナ禍で奮闘される医療従事者・医療経営士の皆様に衷心より感謝の念を捧げます。

 有名女優のツイートがきっかけで先の通常国会での可決成立が見送られたなどと報道されている種苗法改正案ですが、これまで自由とされていた農業者の自家増殖(農業者が収穫物の一部を次期作用の種苗として使用すること)による登録品種等の利用に育成者権の効力を及ぼし、育成者権者の許諾を必要とする改正案が継続審議となり、衆議院において閉会中審査の対象とされています。今月26日に招集される臨時国会においても、これまでの経緯を踏まえて、活発な論戦が交わされるものと予想されます。

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 このように話題となっている令和2年種苗法改正案について、
「種苗法改正のもう一つの論点 〜自家増殖論争と特性表による推定から考える食料安全保障の在り方〜」
と題する論考を事務所ウェブサイトにアップしました(思いのほか長文になってしまいましたが)。

 賛否両論の「自家増殖」への許諾制導入の陰に隠れて目立ちませんが、権利侵害の立証方法として登録品種の「特性表」による推定を活用し、現物主義の下で困難な権利行使を強いられていた育成者権の行使をより容易なものに改善しようという趣旨の推定規定(改正種苗法案35条の2)について、施行後に予想される運用状況も踏まえ、おそらくこれまでまだ本格的に言及されていなかった論点について解説しています。

 自家増殖論争をめぐる政府当局・改正賛成派と改正反対派、双方の情報発信の問題点についても言及しました。
 併せて、食料安全保障という公共の利益のための裁定実施権制度の活用の可能性についても触れています。

 御一読いただければ幸いです。

 ここ数年来、生命科学分野ではCRISPR/Cas9などのDNA切断酵素を利用した革新的なゲノム編集技術の開発が話題となっており、このような最新の遺伝子改変技術を使って加工した細胞を利用する再生医療の提供も期待されるところです。その一方で、遺伝子操作を用いる再生医療については、安全性の観点から一定の規制を及ぼす必要があります。
 そこで、最も規制の厳しい第一種再生医療等技術のリスク分類に、上記の遺伝子改変技術を用いた再生医療も取り込むための再生医療等安全性確保法施行規則の改正が行われました(令和2年厚生労働省令第 131 号。以下「改正省令」)。
 改正省令は,本年6月 26 日に公布され,同日付けで施行されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000644286.pdf

 事務所ウェブサイトに改正省令の解説記事を掲載しました。2014年11月の再生医療等安全性確保法施行後5年を目途とした再生医療に対する法規制の見直し、今後予想される遺伝子治療に対する新たな法規制導入の動向についても解説しています。
 再生医療法務に御関心のある方はぜひ御一読ください。

 久々の行政法関係の記事ですが,ふるさと納税訴訟最高裁判決(最高裁令和2年(行ヒ)第68号不指定取消請求事件・同令和2年6月30日第三小法廷判決)に関する判例解説を事務所ウェブサイトに掲載しました。
 ふるさと納税地方団体の指定制度の導入に当たり,同指定制度導入前にふるさと納税制度の趣旨に反する方法により他の地方団体に多大な影響を及ぼす寄附金募集を行い,他の地方団体より著しく多額の寄附金を受領した団体でないことを募集適正実施基準として定めた総務大臣告示(平成31年総務省告示第179号)は,委任規定である地方税法37条の2第2項等の委任の範囲を逸脱した違法な委任命令として無効であると判断され,泉佐野市をふるさと納税地方団体として指定しないとした総務大臣の不指定処分が適法であるとした原判決が破棄され,同不指定処分が取り消されました。
 委任命令の適法性を判断するに当たり,法律による授権の趣旨等を考慮して授権規定の明確性を要求する近時の最高裁判例の判断枠組み(最二小判平25.1.11民集67-1-1・医薬品のインターネット販売等を一律に禁止する旧薬事法施行規則を法律の委任の範囲を逸脱した違法な委任命令として無効と判断した判例)に則った判断といえます。
 委任命令の立案の職務を遂行する行政庁担当者の基本的姿勢としては,行政裁量論に過度に依存することも,反対に形式的法治主義にいたずらに拘泥することもなく,事後的な司法判断により当該委任命令が委任の範囲を逸脱した違法無効なものとされるリスクを合理的に予測し,可能な限りこれを予防することが求められます。そのためには,法律による委任規定の趣旨,立法過程の議論,委任命令により制限される権利利益の性質等を十分に考慮し,授権法制定当時の立法者(授権者)の意思を精査する姿勢こそ重要であることが,本判決でより一層明確になったといえるでしょう。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としての再生医療等安全性確保法施行規則,臨床研究法施行規則等の省令改正が行われ,(1)認定再生医療等委員会における審査等業務の書面審査の拡大,(2)説明同意文書のe-文書化といった措置がとられました((1)は本年4月30日,(2)は本年5月15日に公布日即施行)。省令改正の解説記事を事務所ウェブサイトに掲載しました。
新型コロナウイルス感染症の治療に幹細胞治療その他再生医療の知見を活用しようとする取り組みも始まっていますが,やはり再生医療等安全性確保法その他の関係法令の趣旨に立ち返って,(有効性を含む)科学的妥当性及び安全性が確保された科学的根拠に基づく医療(EBM)としての再生医療の研究開発と臨床実践の普及が望まれるところです。

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